システム導入

About system

このTRPGでは6面ダイスを使う。ダイスは3d6と記載され、3個の6面ダイスを振る、という意味になる。攻撃が当たったかどうか、探索が成功したかどうか、などあらゆる行動の成否はダイスの出目によって決まる。3d6で出目が能力値以下になれば成功となる。しかしながら、当ゲームは参加者全員が楽しむ事を前提としたゲームであり、ロールプレイの内容によってはゲームマスター(以降"GM")の独断で補正や特殊ルールを追加しても良い事とする。

【行動判定】
基本的にプレイヤーキャラクターが何か行動を起こす際、可能かどうかを判断しなければならない場合、16 項目の能力値を基準に判定を行い、能力値以下の出目が出せれば成功、それを超える場合は失敗となる。
18以上が出た場合はファンブルとなり、その行動で想像し得る最悪の結果になる。
3以下が出た場合はクリティカルとなり、その行動で想像し得る最高の結果になる。
例)
●ファンブル
├・攻撃を味方誤射してしまう
├・転んでしまって次のターンを放棄してしまう
└…etc
●クリティカル
├・自身の行動のダメージや効果値が2倍
├・行動消費しなかったことにする
└…etc
ただし、これらはあくまで一例であり全てはGMに一任する。

【戦闘】
戦闘時にはプレイヤーキャラクター陣営と敵陣営で分けて、GMの采配やシナリオの規定によって先攻後攻を決定する。プレイヤー陣営の中でどの順番で行動するかは適宜相談しあって決定する事とする。全陣営の行動が一巡するまでをラウンドと言い、1ラウンドは10秒から15秒程度の出来事として処理する。自分の行動順の時には主行動と補助行動を1 回ずつ使う事ができ、それらの行動が全て終わるまでをターンと言う。主行動で攻撃を含むあらゆる行動、補助行動で攻撃以外の回避や防御など敵に影響しない程度の行動が可能である。

ラウンド(繰り返す)
敵陣営PL陣営
敵Aのターン敵Bのターン自分のターン味方のターン
主行動

補助行動
主行動

補助行動
主行動

補助行動
主行動

補助行動

【距離】
戦闘時には銃やナイフや怪異による攻撃などを扱う上で距離の概念が存在する。プレイヤー達の立ち位置を基準に下記の様に位置付けをする。
●零距離:盤面的には自身が居るマス。その場から殆ど動かなくても拳が届く範囲、敵味方関係なく放射状に広がる爆発などの攻撃を君が零距離の相手に使ってしまえば君にも影響がある。
●近距離:盤面的には自身と隣接するマス。数歩踏み込めば拳が届く範囲、素手同士や近接武器の適切な間合い。およそ10m以内。
●中距離:盤面的には自身から2つ離れたマス。近接武器を当てるには遠く、多少頑張って移動しなければならない位置。およそ100m以内。
●遠距離:盤面的には自身から3つ以上離れたマス。近接武器はもちろんだが拳銃などもまず当たらない距離。その距離から攻撃を受けているなら早めに距離を詰めなければ一方的に攻撃され続けてしまう。およそ100m以上。
●無制限:そもそも盤面に居ない。状況的には監視カメラや衛星カメラなどで様子を見ている黒幕とか高みの見物をしている監視者とか、その戦闘には参加していないし、どれだけ頑張っても視界に映らないほど遠い位置。もはや怪異による攻撃でしか存在し得ない概念。

【戦闘移動】
戦闘中に離れた敵に近付く際、または敵から距離を取って一方的に射撃武器で攻撃したい時、その場合は、盤面的にマスを移動するという事が想定される。その際の判定として、運動判定成功すれば主行動を消費して1マス移動できる。失敗しても主行動と補助行動を消費する事で1マス移動できる。

 ●攻撃:攻撃方法によって与えるダメージが変わり、武器の性能に大きく左右される。
近接武器や肉体を使う攻撃は身体系技能<格闘>判定に成功する事で発動し、遠距離武器や投擲による攻撃は感覚系技能<射撃>判定に成功する事で発動する。装弾数が存在する武器は弾薬を使い切ってから再度使用する場合は補助行動や主行動を消費して再装填する必要がある。

 ●回避:認識可能な攻撃は全て身体系技能の<回避>判定に成功する事で攻撃を避けてその攻撃を受けなかった事にできる。

 ●防御:手持ちの武器で攻撃に備えたり、受け身を取るなどして受けるダメージを減らす場合は判定が不要である。ただし、受け身や防御に部位を使った場合、ダメージの下一桁を0に出来るだけであり、さらにその部位は損傷し日を跨ぐまで回復しない。損傷した部位で受け身や防御は出来ず、その部位に関わる判定を行う場合、軽減したダメージ分、判定の出目に加算される。武器での防御は物理攻撃のみ防げる。銃器などの遠距離武器で防御する場合はダメージの下一桁を0にできるだけだが、近接武器ならばその武器でダメージ判定を行い、出目分のダメージを軽減できる。
 また、ダメージ軽減の計算は下記の通りである。
 装備割合軽減→装備固定軽減→防御選択時の出目軽減
 →道具等の軽減→能力割合軽減→能力固定or出目軽減

 ●庇護:味方が攻撃された場合、身体系技能の<運動>判定に成功する事で半径近距離以内の味方1人の前に立ちはだかり攻撃を代わりに受ける事が出来る。直後に回避してしまった場合、この行動は意味を為さなくなる。

 ●持ち物:持ち物にはいくつかの分類がある。使用する事で固有の効果を発動出来る。特に記載がなければ主行動もしくは補助行動を消費して使用する。
消耗品は使用すれば無くなり、再度購入する必要がある。
道具は使用しても無くなる事はない。持っているだけで効果が発生する物も存在する。

 ●装備:キャラクターはそれぞれ武器、防具、装飾の3種類を1つずつ装備する事が出来る。同じ種類の装備品は重ねて装備する事が出来ない。戦闘中に装備を入れ替える場合は何種類入れ替えても補助行動1回の消費とする。

【怪異】
 この世界には負の感情から生まれた怪異という一般人には見えない異形の者が存在する。怪異にも様々なタイプ が存在し、容姿も特異性も多種多様である。怪異を消滅させるには宿主のSPを0以下にするか、宿主自信を殺す事によって可能である。宿主が存在しない怪異の場合は怪異が取り憑いている物体や場所を破壊するか怪異の元となった感情を薄れさせてからその怪異を倒す事で消滅させることができる。
 ●汎用型怪異:個人が強く負の感情を抱いた時にその感情を媒介にその人物を宿主として取り憑く怪異。その感情から生 れ落ちる者も居れば後述の独立型怪異がその感情に惹かれて取り憑く事もある。
 ●付喪型怪異:個人が強く負の感情を抱いた時にその感情を媒介にその人物の所有物に取り憑く怪異。その感情から生れ 落ちる者も居れば既に所有者を失った付喪型怪異が同じ感情を抱いている人物に所有を許す事もある。
 ●独立型怪異:特定の条件下で一定数以上の類似した感情が発生した際に生れ落ちる怪異であり、宿主を必要としないが 、稀に自我を持った怪異が特定の人物を気に入って宿主として選ぶことがある。
 ●領域型怪異:特定の地点に多くの人が類似した感情を抱き、その感情に信憑性を持たせるような出来事が起きた時、領域型怪異はその場所もしくは異空間として産み落とされる。

※怪異に対して物理攻撃は通らないが、能力で強化した物理攻撃もしくは特殊なアイテムを付与した物理攻撃は例外的に通る。

【HP】
 キャラクターの生命力や体力の事。
HPは怪我をしたり毒や窒息などの肉体的な損傷によって減少する。HPが0以下になった場合死亡となり、毎ターンMPを任意で消費し、消費したMPを成功値とした延命判定を行う。
判定に失敗した時点でキャラクターロストとなる為、蘇生されるまで延命判定に成功し続ける必要がある。
もしも、キャラクターロストする前にHPが1以上に回復した場合、即座に起き上がり行動可能となる。
またHP回復と表記されている処理は基本的に最大値を超えない

【MP】
 キャラクターの精神力や正気度の事。
MPは強い恐怖心や不気味さを感じたり常軌を逸した状態におかれた場合など精神的な損傷によって減少する。
MPが0以下になった場合、3d6で症状を決定し出目に対応したデメリットが発生する。
この時、〈SP〉の2割以下の出目が出た場合はプレイヤーは怪異の暴走によって操作権を失い、怪異に行動を支配されてしまう
MPが1以上に戻らない限りその状態は続く。
またMP回復と表記されている処理は基本的に最大値を超えない

MP減少例
減少数減少してしまう場面の例
1d6不慣れな仕事
適応外の環境
死体を除く人身事故現場の目撃
外的要因の強い緊張感
2d6想い出の品の損壊
ペットの脱走や小型ペットの死去
悪意や恐怖を伴う非現実的な現象
他人の死体の目撃
3d6他人の惨殺死体
悪意を持つ市街規模の強大な怪異との遭遇
家族や友人の死体
4d6家族や友人の惨殺死体
後遺症を伴う惨い拷問
目の前で知人を惨殺される
5d6目の前で家族や友人を惨殺される
悪意を持つ国家規模の巨大な怪異との遭遇
6d6自分自身で家族や友人を惨殺させられる
7d6世界規模の巨大な怪異との遭遇
8d6パンダの常軌を逸した可愛さを目撃
発狂症状例
出目SP超過で暴走発狂症状
15パニックでその場から逃げ出す。
420全身の筋肉の弛緩、腰が抜ける、失禁。行動不能。
525極度の緊張。通常通り行動できるが判定の失敗が全てファンブルになる。
630無気力。絶望から何かに取り組む意思が失われる。
生きる為に危機を退けるようなことは出来なくなる。
735全身に虫が這うような不快感に襲われる。肌がぞわぞわとし、それがあまりに不快で集中を奪われる。
840無謀な祈り。神や架空のヒーロー、あるいは探索者の大切な人などが助けてくれると信じ、祈りを捧げる。
945奇行。その場の状況にそぐわない異常な行動を取り始める。論理的・合理的な行動は不可能である。
1050その場に釘付けとなる。声をあげる程度であれば可能だが、行動はできない。
1155敵味方の判別が難しくなる。全ての攻撃に<効果範囲:無差別>が追加される。
1260健忘症・記憶喪失。最後に安全な場所に居た時から後に起こった出来事の事を忘れる。
1365突発的失明。世界から光が奪われ、何も見えない真っ暗な世界に堕とされる。
1470間違った自信。感性が麻痺し、恐怖を一切感じなくなって無謀な行動も平気になる。
1575強迫観念に取り憑かれた行動。いつまでも本を読み続けたり、そわそわと辺りを歩き続けたりなど。
1680あらゆるものが自分に危害を与えるという被害妄想から一歩も動けなくなる。例えば転んだ際にテーブルの角に頭をぶつけるんじゃないかと想像して家の中すら自由に歩けない。
1785倫理観の欠如。人の命を軽んじたり、怒りっぽくなってすぐ暴力に物を言わせる。また目的の為に体を売ったり、仲間を差し出すという事に罪悪感を覚えなくなる。貞操観念も道徳観も失われる。
1890言語障害。言葉が滑らかに出てこない。単語しか喋れなかったり、極度のどもりや発音の不良、単語の取り違えなど。場合によっては間違った情報を相手に与えてしまう。

【CR】
 キャラクターの資金力や自由に使える財産(Credit)。
CRはシナリオ中にアイテムや装備品を取得する際に消費される。
CRを追加する場合、シナリオ内で探索パート1コマを労働に消費する必要がある。労働の際には職業に見合った判定を行う必要があり、成否に関わらず2d6 のCRを追加できるが、失敗した場合はMPを1d6消費する事となる。
また、シナリオ中でCRを消費し得た道具や装備は持ち越し可能であり、シナリオ毎にCRは全回復した状態から開始する。 
なお、購入した物品は半額で売却可能である。

【SP】
キャラクターに宿った怪異の強さ(StrangePower)。怪異に能力を持たせる際にコストが必要となり、その コストの上限がSPである。ただし、上限を超える事も可能であり例外としてその能力を使用する度に余剰分をMPの 消費に よって支払う事が出来る。SPは能力の使用によって消費される事はない為、SPが高ければリスクやデメリッ トを最小限 に能力を使う事ができる。あくまで能力1つにつき必ずSPに1以上分配しなければならない。最も根深い感 情を刺激する ような出来事がある度にSPは1ずつ増していく。その分、発狂の際 に怪異に自我を乗っ取られやすくな る。また、他プレ イヤーキャラクターとのロールプレイで自分の感情と向き合い受け入れる事によってSPを1ずつ減ら してMPの最 大値を1 ずつ増やしていく事が可能である。SPが減った場合、そのシナリオ中に上限を超えてしまった場 合は、能力はMPから支 払わなければならない為、SPを余らせて余裕を持たせたい場合はMPの消費を多めにしてお く事も可能である。
要約するとSPは能力を代償無しに使用できる怪異の強さと発狂した際に自我を乗っ取られやすい心の弱さを表す。
   能力の行使時のコスト内訳
   (SP + 余剰分をMPで毎回支払う)= コスト
   ※SPは消費されない。

【探索パート】プレイヤーキャラクター達が怪異事件を解決する為に必要不可欠な情報は幾つか存在する。
①誰が事件を起こしているか、②どうして事件を起こしたのか、③どうやって事件を起こしたのか。これらのうち、どれか一つ を突き止めれば自ずと残りの情報の輪郭が鮮明になっていく事だろう。どの情報から紐解くとしてもプレイヤーキャラクターた ちが自分達から行動しなければシナリオによっては解決に必要な情報を取りこぼし、満足の行く結末を迎えられない事も多い。
 ●1日に出来る行動:シナリオにもよるが基本的に、朝、昼、夕、夜、と1日にできる行動は大きく分けて4回までだが、1 日に4箇所もの探索可能な地点に赴き情報を引き出す事は得策ではない。君達は怪異を宿しているとはいえ、あくまで人間であ る。下記の睡眠についても考慮し賢く探索を行うのならば1日に出来る行動は3回までだろう。
 ●睡眠:夜は誰もが不安定だろう。故に夕暮れから朝日が昇るまでの間がもっとも怪異の出現率が高く事件が起こるのも事件 の大きな手掛かりが見つかるのも基本は夕夜間の事である。ただし、キャラクターには基本的に怪異退治とは別に職業があり、 生活がある。故に昼も夜も活動し続けると無理が祟ってあらゆる面で満足いくパフォーマンスを発揮できないだろう。一切の睡 眠を行わずに18時間以上活動を続けると、1時間超過する度にあらゆる判定の出目が1加算されてしまう。1日に6時間以上 の睡眠をとる事でこの不利な補正を免除できる。また、3時間につきMPを1d6回復する事が出来る。

【 独 白 】プレイヤーキャラクター達には怪異が宿る程の負の感情がある。しかし、負の感情とは裏を返せば願望である。この 独白システムはキャラクターが保有している『生きる理由』をプレイヤーがナレーションする事で発動できる。独白を発動し、GMが許可すればそのキャラクターのMPは瞬時に全回復し3ラウンドの間、任意で3回まで判定をクリティカルにできる。基本的に1キャラクターにつき、独白が許されるのは1度のみである。シナリオ毎に1度ではない事を留意してほしい。しかし、例外が1点存在する。独白を使ってしまったキャラクターが別のキャラクターとの交流を経て新たな『生きる理由』を見つけた時、今までその内容で独白を使用していないことを条件に独白がもう一度許される。

【成長判定】
キャラクターがひとつのシナリオをクリアした際に報酬を与える場合、道具欄の小切手を渡すのとこの成長判定を行うのが相応しい。1d6で1なら身体系、2なら感覚系、3なら知能系、4なら心象系、5か6なら好きな系統を、更に1d6で左 から順に出目に従った物を上昇させる。ただし、5か6ならその系統で任意の技能の数値を上昇させる。何度かこの判定を行う事で難易度に伴った成長をさせる。あくまで目安だがギャグシナリオなどロストの確率が極めて低い場合は1~2度、簡単なシナリオなら3~4度、長期のキャンペーンシナリオや1人くらいロストしかねないなら5~6度くらいだろう。
また、それらの判定を簡易化したページを設けてある為、活用して頂ければ幸いだ。