はじめに

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怪異と謂う物をご存じだろうか?妖怪や幽霊の類を総称して此処ではそう呼んでいる。
文明が発達し、情報化社会となった今、その存在を否定する声も多く、
それらは時代の闇へと葬り去られたかの様に思われている。
しかし、それは大きな間違いである。
人の心の奥底の、誰にも言えない感情は、
逃げ道を探し今も君達の身体の中を這い擦り回って居る。
その感情が、いつ君達の身体から異形の者として溢れ出るかは、誰も知らない。
『サードアイ』、これはそんな溢れ出した感情達の、怪異達の物語である。

TRPGとは

how-to

テーブルトーク・ロールプレイングゲームの略である。本書はそのTRPG『サードアイ』のルールブックである。
 そもそもTRPGとは何か?それはゲーム機などのコンピューターを使わずに、紙や鉛筆、サイコロなどの道具を用いて、人間同士の会話とルールブックに記載されたルールに従って遊ぶ”対話 型”のロールプレイングゲーム(RPG)を指す言葉である。
 TRPGの一番の魅力はコンピューターゲームとは違い、選択肢が無限にあるという所だ。例えば、崖にしがみ付いて、今にも奈落へと落ちそうな2人の人物がいたとしよう。コンピューターゲームなら、どちらを救出するか選択肢が出る所だが、君たちプレイヤーはどちらも見捨 てても良 いし、その状況に合わせて試行錯誤し、2人の人物を同時に助けるという選択も出来る。
 TRPGを行う上で、まずどうしても必要なのは参加者、つまりプレイヤーだ。PLと呼ばれる事もある。プレイヤー達はそれぞれ自身が操るキャラクターを用意しなければならない。プレイヤーに対して、シナリオ進行を担当する司会、ゲームマスターも必要だ。GMと呼ばれる事もある。GMが用意したシナリオをプレイヤーは自分のキャラクターを用いてルールに沿ってクリアする事が目標となる。
 ゲームマスターは他の参加者と対話しながらゲームの舞台となる世界とそこに登場する色々な事件や人物を説明し、決められたルールに従ってプレイヤーキャラクターの行動が実現したか否かを裁定する事でゲームを進行させる。
 簡単に言えば、GMがコンピューター役として登場人物や演出や審判を担当するのがTRPGである。つまりはルールのあるごっこ遊びだ。TRPGには色々なシステムやルールブックが存在するが、本書『サードアイ』にて重要視する本質は、「一つの議題や感情に向き合って、GMとPLによってひとつの作品を作り上げる」という事である。
 故にプレイヤーキャラクターを含める全ての登場人物には等身大のバックボーンと感情が無ければならない。登場 人物の全ては1人の人間であり、誰かの子供であり、いずれ誰かの親になる、人生を歩んできた 人間であることを忘れないでほしい。

世界観

world

 怪異はそれぞれ宿主の"感情"に伴う特殊能力を保持していて、霊感の有る者もしくは同じく怪異に取り憑かれている者にしかその姿は見えない。
 一般人の知らない所でこの怪異という超常的な存在は認知されており、全世界レベルでそれに伴う組織が今も蠢いている。噂によればこの現代日本は世界各国と比べても最も怪異事件が多く記録されており、怪異に携わる者達の中で最も危険視されている国である。
 基本的にシナリオ中の文明力や科学力は現実世界と同等である事が殆どである。ただし、オリジナルシナリオで時代や背景に特色を持たせたい場合はその限りではない。
 シナリオを自作する際には後述のアイデアノートを参考にしていただければ幸いである。あくまでアイデアの一例であって必ずしもその設定を考慮しなければならない訳ではない。